デジタルデータからダイレクトにプレートに出力するCTP。
発表されて10年余だが、印刷物製作期間の短縮と印刷安定性の向上に大きく寄与してきた。
その安定した網点再現は、いまやカラーマネージメントに不可欠な装置といえる。
デジタルデータからダイレクトにプレートに出力するCTP(Computer To Plate)。
印刷物製作期間の短縮と印刷品質の安定性向上に大きく寄与し、現在の刷版作成の主流となっておりカラーマネージメントを前提とした印刷工程には必須といえる。
CTP運用のワークフローは、従来の製版フィルム運用のワークフローのように「見開き」や「ページ単位」で、完成したページから出力を行い、プレート上で露光位置を決定することができない。
そのために運用面としてそのプレートを使用する印刷機に合わせた正確な絵柄露光位置、面付けするページ数、絵柄の方向、品質管理用のチャートなど完全に版面を再現できる必要があり、ハードウェアとしてのRIP、CTP性には瞬発力が要求される。
フィルム運用のワークフローを踏襲しつつ、CTP運用するための補助的なソフトウェアの出現によって、CTP運用のハードルが下がりCTPは普及した。
しかしCTP導入そのものを目的とするのではなく、本書のようにカラーマネージメント運用を実現するためのツールとしてCTPを位置づける場合、理論的には印刷機の状態によりCTP露光カーブの設定がなされ、くわえて印刷機の状態を安定的に維持するか、印刷機の状態を常にCTPがトレースし適切な刷版を供給しなくてはならない。
また複数の印刷機を運用する場合、それぞれの印刷機の機体差を吸収した刷版を供給するか、その複数の印刷機が群管理され平準化されていなければ、CTP本来のポテンシャルは発揮されない。
CTPは導入自体が目的であった段階は過ぎ、カラーマネージメントの必須ツールとしてCTPが位置づけられる段階となった現在、論理的なCTP運用の確立がカラーマネージメント・ワークフローの成否をも決めてしまうこととなった。
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