最終的にはカラーマネージメントによって、量産される印刷物の品質についても管理される必要がある。
印刷中は色見本の目視判断によりコントロールするのではなく、測定器を用いて得られた測定値という客観的数値を元に管理されるべきである。
カラーマネージメントが生産技術として確立するには印刷準備時間の短縮が課題であるが、迅速に基準値に至るには、CTPやCIP4技術といった基準値を正確に再現するための固定的な情報に加え、基準に至るまでの印刷物から得られる流動的な情報をいかにすばやく、客観的に印刷機にフィードバックすることができるかが重要となる。
コントロール方法には、オペレータが印刷物の測定値、たとえば濃度をインキキーの開閉量に置き換えて印刷機をコントロールする方法と、測定装置を内蔵した「品質管理装置」が測定値を自動的にインキキーの開閉量に置き換えて印刷機にフィードバックする方法がある。
いずれの方法であっても最終的に基準値に至ったという判断は、測定値の数値と規定の許容値によって行われるべきである。
印刷中には定期的に印刷物を抜き取り、測定し品質をチェックする必要がある。
精度は印刷機のサイズや仕組み、安定性に依るが、印刷開始直後は頻繁に色が安定した以降はおおむね500~1000枚印刷するごとに抜き取り、チェックし適切な補正を行うことにより印刷中の色の変化を抑える。
ロット内の全数がターゲットの色に一致、少なくとも許容範囲内に収まる、すなわち近似することがオフセット印刷におけるカラーマネージメントである。
ゆえにオフセット印刷において1枚のみの完璧にターゲットの色に一致した色の印刷物を提示しても、それはロット内全数の品質の保証にはならない。
カラーマネージメントを標榜するワークフローであれば、印刷紙面上にベタ濃度、ドットゲイン、スラーなどがチェックできるコントロールチャートは必須である。
抜き取った印刷物のコントロールチャートを測定し、その結果をインキキーの開閉量に置き換えて、印刷紙面に反映される頃に再度抜き取りを行い、測定して数値を確認する。
この作業の繰り返しが基本となるが、印刷物の測定結果は濃度、Lab、ドットゲインといった数値で得られるものであり前述のように各色のインキキーの開閉量として提示されるわけではない。
しかし印刷物のロット内およびロット間のばらつきをなくすためには、測定値と開閉量の関係に客観性を持たせ平準化されている必要がある。
仮に12000枚/時間の速度で両面印刷を行い、1000枚に1度チェックするとしたら、2分半で片面のコントロールチャートを測定し、その結果に基づいてインキキー開閉操作を行い紙面に反映させる必要がある。
ゆえに印刷開始時はともかく、量産時について生産技術としてカラーマネージメントを確立するには、コントロールチャートの測定と測定値をインキキー開閉量に置き換える工程が自動化されている品質管理装置の導入が現実的である。
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