入稿データを作るまでは、プロファイルを持ったRGBデータを通すことが望ましい。 従ってレタッチはRGBモードでということになるが、CMYKに変換後は、CMYKレタッチが必要となる。
RGBレタッチとCMYKレタッチではやっていいこと、やってはいけないことがある。
これを知ることがレタッチの大原則だ。
RGBは色光の三原色、CMYKは色材の三原色。色を混ぜていくとRGBは明度があがり白に近づき、CMYKは明度が下がり黒に近づく(P38「加法混色と減法混色」を参照)。
印刷の色再現もインキの特性によって等量を混ぜ合わせると赤みを帯びたグレーになる(P44「印刷の基礎知識」を参照)。
したがってRGBモードとCMYKモードではおのずとレタッチの方向は異なるし、それぞれやっていいこととやってはいけないことがある。
デジタルカメラから出力されたRAWデータ以外のデータの場合は、すでに色の変換や補間、ホワイトバランス、トーン調整、シャープネスなどの処理が行われているので、注意したい。
特にトーンカーブを使用して階調を立てる場合は、適用する部分をよく見極め、過補正には注意しよう。
RGBレタッチではCMYKレタッチにはすすめられない。
「色相・彩度」ダイアログを使用してのレタッチには効果的だ。
トーンカーブだけでは不可能な、色相ごとのコントロールパネルができることはRGBレタッチのアドバンテージだということができる。
CMYKに変換した後は、CMYK上でのレタッチは微調整だけにすべきである。
もちろん一度変換した後は、再度RGBに変換したり、もう一度CMYKに変換したりするのも、極力さけるべきだ。
大幅なレタッチが必要なときはやはり変換前のRGBデータに戻って行うことを心がけよう。
CMYKレタッチは印刷に直結するコントロールなので、墨版のみをコントロール、あるいは少々の中間調をコンポジットチャンネル、CMYのどれかを少々変更して色調を整える程度にしよう。
トーンカーブを大きく変化させたり、CMYを個別に大きくコントロールすると、ほとんどの場合でグレーバランスが狂う。
[色相・彩度]ダイアログを使ってのレタッチも[CMY等量の掛け合わせはグレーではない]のだから使わないほうがいい。
またCMYK上でコントラストを強調しようとすると、バンディングが発生しやすくなる。
「レタッチ」をふることは、どんなによい色に近づけたとしてもデータが持つ階調性を崩しながら調整するものであることに変わりはない。
したがってその階調の崩れを最小限に保つためにも、画像処理は16ビットで行うことを基本としよう。
たとえ元データが8bitであっても、演算を16ビットで行うことで、階調破壊を最小限にとどめることが可能になる。
RGBで行うレタッチは、色温度の補正や変更、固有色の変更、人物写真の肌色圧縮、風景写真におけるグリーンやブルーの強調、コントラスト変更など。
ただし、何度も異なる方向の補正をかけると大幅なダメージを受けることになる。
編集は少なめに、方向性をそろえることが肝心だ。
CMYKで行うレタッチは、わずかなガンマのコントロールや色調のトーンの微調整など、インキ特性に合わせたチューニングのみを行うようにしたい。
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