PDF/X-1aはISO基準(ISO15930)で制定されたことによって、印刷、プリプレス用のフォーマットとして現在のところ、PDF入稿における標準フォーマットとなっている。 ここではPDF/X-1aの規格や作成方法などの基本的な知識を解説する。
PDS/Xは新しい技術ではなく、バージョンや画像、文字などに関するPDF生成の取り決めであり、ISO基準(ISO15930)で取り決められた規格で、世界統一されているために、どこでも同じフォーマットである。
PDF/Xには、PDF/X-1a:2001、PDF/X-1a:2003、PDF/X-3:2002、PDF/X-3:2003など複数のバージョンが制定されているが、現在日本の市場において主に使用されているPDF/Xは、PDF/X-1a:2001。
PDF/X-1aは、PDF1.3に基づいている規格で、現在使われている多くの出力機やRIPに対応している。 また、PDF1.3では、透明効果はサポートされないので、PDF/X-1aを生成する時点で透明効果は分割、あるいはラスタライズされるので、これによる出力エラーなどの問題は起こらない。 このほか、CMYKカラーと特色に限定されるため、RGBカラーなどからの色変換に問題は起きない、フォントが確実に埋め込まれるので、プリンタフォントがないことによる文字化けはない、画像が埋め込まれているのでリンク切れがないなど、これまで出力側で起こっていた多くのトラブルを軽減。 さらにファイルサイズも軽く、ネットワーク送稿が可能など、さまざまなメリットがある。
なお、PDF/X-3は、カラーに関する部分以外の規格はPDF/X-3は、カラーに関する部分以外の規格はPDF/X-1aと同じだ。 CMYK以外の色(CIE-Labなど)も使用可能で、カラーマネージメント・ワークフローでの完全交換運用を想定された規格である。
InDesignは、PDF/X-1a形式のファイルを直接書き出すことができる。 配置する画像のフォーマットにはまったく制限がなく、PDFへの変換時にCMYKカラーに分解され、埋め込まれる。 品質さえ考えなければ、配置データはJPEGでも問題はない。
テキストは、OpenTypeフォントやCID形式の埋め込み可能なフォントが使われていればよい。 埋め込みできないフォントを使った場合は、PDF/X-1aへの書き出しはできない。 その場合は、一度PSファイルに書き出してから、Acrobat DistillerでPDF/X-1aにする。 また、あくまでもPDF/X-1aは「規格」であるため、PDF/X-1aを直接書き出すプリセットが用意されていないアプリケーションでも、PDFの直接書き出しに対応し、詳細に設定項目が用意されている場合には、それらの項目を正しく設定したり、各社より用意されている設定ファイルを活用したりすることで、PDF/X-1aに準拠するPDFを作成することは可能だ。
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