プリンタが入力されたデータを正確に表現できるようにするキャリブレーションと、色再現範囲を示すプロファイルの作成は、プリンタプルーフでは欠かすことができない基本的な作業だ。
ここでは、i1を使ったプリンタプロファイルの作成の方法について紹介していく。
モニタやプリンタは、常に一定の色を再現できるわけではない。時間の経過や環境の変化にともなって、色のお再現にも変化が生じる。
中でもプリンタは、温度や湿度によって大きく影響を受けるデバイスだ。 特にレーザープリンタは色再現に大きく関わるトナーや感光ドラムのように交換を要するパーツが多いために、出力する色を一定に保つのが難しいとされている。
キャリブレーションとは、このデバイスの変動要素を標準化し、色再現を一定に保つ作業なのである。
レーザープリンタもインクジェットプリンタも、基本的なキャリブレーションの方法に違いはない。
基本的な流れとしては、プリンタから出力したカラーチャートをスキャナまたは測色器で読み込み、その値が基準値と合っているのかを対象する。
そのときに、測色値と基準値にズレがあれば、それを修正する処理を行うことで出力する色を一定に保っているのだ。
測色器による手動キャリブレーションは、スキャナを使った自動キャリブレーションに比べて高い精度が期待できる。
アプリケーションや測色器によって、出力するチャートのカラーパッチ数には違いがあり、パッチ数が多いほど、手動での測色には時間がかかる反面、パッチ数が多いほど精度が高くなる。
いずれの場合も、正確な出力をするためには1週間に一度くらいを目安にして、キャリブレーションを行うように心掛けたい。
プリンタプロファイルの作成は、デバイスの色再現を標準化するキャリブレーションに対し、デバイスの特性を定量化するキャラクタライゼイションという作業にあたる。
具体的には、カラーパッチを持つ測色用のデータをプリントし、分光測色計で計測。その計測値(Lab値など)からプリンタの色再現空間を算出する。
注意したいのは、プリンタは用紙や設定によって色を変えるため、プロファイルもその環境ごとに作る必要があるということ。
作成したプロファイルを利用する際には、用紙のメーカーや種類、出力時の設定など、すべての環境を揃えて出力をするということも忘れてはならない。
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