ファイルを展開する際に、いちいちプロファイルの処理についてたずねられるのは非常に煩わしい。
だからといってアラートの意味を深く理解せずにOKしてしまったり、アラートが出ないようにしてしまうのは少々危険だ。
最低限の設定はしておこう。
アラート | カラーマネージメント | CIEカラー | デバイス値 |
プロファイルなし | |||
そのままにする | ✕ | なし | 変わらない |
作業用RGBを指定 | ◯ | 確定 | 変わらない |
プロファイルの指定 | ◯ | 確定 | 変わらない |
埋め込まれたプロファイルの不一致 | |||
作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用 | ◯ | 変わらない | 変わらない |
ドキュメントのカラーを作業スペースに変換 | ◯ | 変わらない | 変わる |
埋め込まれたプロファイルを破棄 | ✕ | なし | 変わらない |
プロファイルの不一致をペースト | |||
変換(カラーの外観を保持) | ◯ | 変わらない | 変わる |
変換しない(カラー値を保持) | ✕ | 変わる | 変わらない |
(イメージ)
プロファイルを取り違えると色が変わってしまうということはこれまでに記したとおりだが、実際にどういった変化が起こるのかを示したのが、このページに掲載されている写真や図版だ。
まず構成を説明すると、左上①がsRGBの元写真、そして右上②がAdobe RGBにプロファイルを変換したもの。
それに対して下の③、④は間違ったプロファイルをつけてしまった例だ。
つまり上はプロファイルの取り扱いが正しいので、sRGB、Adobe RGBというカラースペースの違いはあるものの、見た目の色は変わらない。
一方、下の写真は間違ったプロファイルでファイルを開いてしまったために色が変わってしまった例だ。
ここでは色がいいとか悪いではなく、変わってしまう点に着目してほしい。
xy色度図上の点は、写真を構成する色情報をプロットしたものだ。
中心である白色点から遠ざかるほど彩度が高い色ということだ。
つまり点の分布が広がるほど、その画像には鮮やかな色が含まれているということになる。
プロファイルの取り違えが起こると、この分布が広がったり狭くなったりと変化してしまうということが見て取れる。
ここでは①sRGB(狭い色域)から②Adobe RGB(広い色域)へ変換したため見た目の色の変化はないが、逆の場合には再現できない色も出てくることになる。
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