色を測る

せっかくCMS環境を整えても、判断基準を人間の目の感覚だけに依存していては意味がない。 いかに色を数値で測るかに対し、これまでさまざまな装置が開発され、実際にも使われてきた。 各装置の特徴を理解し、適材適所で使い、最大限の効果が得られるようにしたい。

色を物理量として表現・測定しようとする試みは昔から行われてきた。 しかし人間の見ている色を濃度計で表したとしても、人間の感じているようには数字に表れない。 印刷現場では濃度計を使ってカラー印刷物を管理しているが、印刷物の品質管理(=インキ皮膜厚を一定に管理)をしているのであって、人間にどう見えるかを測定しているのではない。

そこで色管理には測色計を使用するのである。 測色計には人間の錐体に近い特性を持ったセンサーで三刺激値を測定する「刺激値直読方法」と回折格子を使って分光反射率から測定する「分光測色方法」がある。 回折格子はコスト的に高いので、三個のセンサーではなく数十個(普通は40個位)のセンサーを使ってスペクトル(P.38参照)を近似するものもハンディタイプには多い。

ワークフローを構築するための実験や、トラブルが起こったときの原因追求は、分光タイプでないと突き止められないケースも多い。 よくデジカメで問題になる紫系の高級呉服などがこれに当たる。 しかしルーチンワークをこなしていくのに高価な分光タイプを使うのはもったいないので、生産現場では刺激値直読タイプで十分だろう。 しかしルーチンといっても色を測る物体の表面状態による。例えば自動車なら、メタリック系のボディカラーであるパールホワイトマイカなどは、分光タイプでないと正確な測定が難しい。

人間の色覚を心理物理量として測定することは可能である。とあえて言い切りたい。 CMSの口達者な連中はモニタの色温度が「やれ6,500Kだ」「5,000Kだ」「いや5,500Kを推奨」などと言っているが、印刷用照明の標準は5,000Kなのである。 したがって5,000Kで見るのが一番現実に即しているはずだ。

分光放射輝度計(ガンタイプ分光測色計)はアイポイントでのモニタの色温度も図れるので、口達者連中がコレで合っているという状態を測定してみると5,000Kに近い。 要するにモニタの色温度設定の誤差というわけだ。

同じ様に巷ではガンマ値論議があるが、実際にはγ1.8もγ2.2も、Photoshopを使用する限りではモニタプロファイルを参照しているので同じ色が得られる。 γ1.8のモニタとγ2.2のモニタに同じデジタル画像を表示させCMSを効かせて、分光放射輝度計で測定した結果をプロットした図を見れば、見事に重なる。 色はモニタのγに左右されずに合っているということ。


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