色温度には気を使うが、演色性には無頓着な人が多い。 演色性とは読んで字のごとく色を演じられる性能のことである。
理想的な照明は太陽光であり、可視光域の波長を等量で含んでいる。
演色性の重要性を学び、照明の大切さを再認識し実践に役立てていただきたい。
環境光の評価には色温度の他に演色性がある。
同じ色の物を同じ色温度の光で照らしても、光に含まれる波長成分によって、照らされたものの見え方は変わってくる。
このような、物の見え方に影響を及ぼす光源の性質のことを指して「演色性」という。
演色性はふだんから見なれている自然光のようなものを基準として評価をする。
基準光源で見た場合とのズレ幅が少ないほど演色性が高いということになる。
基準光で見たときを演色評価数100として、数が小さくなるほど演色性は低い。
印刷学会では、校正紙等を観察するための光源を、色温度 = 5,000K、演色評価数Ra = 95以上と定めているので、蛍光灯を買うときにはこの数字を目安にする。
色評価専用蛍光ランプは当然この条件を満たしている。
上図の各光源の分光分布を見るとわかるように、日光は各波長の光をまんべんなく含んでいる。
演色性の高い光源ほど、分光分布は日光に近い。
逆に、低圧ナトリウムランプ(高速道路やトンネルで使用されている黄色いランプ)などのように演色性の低い光源では、分光分布は限られた波長域に集中している。
JISでは上の表のように、色温度や演色性によって蛍光ランプを区分しており、それぞれに対応する記号などが定められている。
印刷の色評価に適した、5,000K・演色性90以上の蛍光ランプはN-EDLと表記される。
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