色温度と光源色

色に関わる人たちのなかで、環境光にまで気を配っている人は少ない。 しかし環境光が異なると色はまったく違って見える。 人間は物体から反射してくる光で色を感じているのだから当然のことだ。 照明について科学的に掘り下げるのは、CMSの第一歩である。

物体色の評価には、環境光の標準化が欠かせない。 そのため、共通のものさしとしての標準光が目的によって各種定められている。 日本では、印刷の校正を見る光源は色温度5,000KのD50が使われている。 この条件を近似的に満たした蛍光ランプは色評価専用の蛍光ランプとして販売されている。

色温度というのは光の色を表す尺度のひとつで、K(ケルビン:絶対温度)で示す。 基準になっているのは「黒体」と呼ばれる。光を完全に吸収する理想物体の温度変化だ。 黒体は熱するにつれ、色が赤から青白へと変化してゆくので、光源の色と黒体の色が同じになったときの温度で色を表現できる。 色温度が高いと色は青っぽく、色温度が低いと赤っぽくなる。 赤といっても夕焼けの赤や白熱灯の赤、写真のフィルタで言えばアンバー(琥珀色)系のことだ。

DTPの世界で色温度が問題になるのは「ディスプレイの色温度」と「環境光」だ。 モニタ上で印刷物のシミュレーションをするためには、モニタの白色点と印刷用紙の紙白が近似していなければならないが、一般に工場出荷状態のモニタは輝度やコントラストをかせぐために色温度が高い(9,300K)ので、DTPで使う場合には何らかの方法で色温度を下げるケースが多い。 また、校正紙を観察する場合には環境光の影響により見え方が変化するので、「色評価用蛍光灯」の下で見るのが理想だ。


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