人間の識別できる色数は700万から1,000万ともいわれている。
JISでは色の名前を慣用色名・系統色名として定義している。
一方、名前ではなく定量的に色を表すために体系化された色の物差しを表色系という。
表色系はさらに顕色系と混色系に分類されている。
色を定性的・定量的に記述する場合、分類の細かさ、正確さにより、①色名系による方法(390色程度)②顕色体系(色表系)による方法(3,000~3万色)③混色系による方法(500万色以上)に分類できる。
色名系による表示で、正確に色を伝達したい場合は「JIS Z 8102-1985物色体の色名」「JIS Z 8110-1995光源色の色名」等の標準化された表示方法に従えばよい。
慣用色名はいわゆる桃色、カーキ色、ボルドー色、江戸紫、京紫など固有名詞で色を表現し、系統色名は基本色に規定の修飾語を加えて色を表現している。
顕色系(色素系)はカラーオーダーシステムとも呼ばれる。 物体色について色の三属性である色相(色合い)、明度(明るさの度合い)、彩度(色の鮮やかさ)に従って感覚的に等歩度(一定間隔)になるように作成された色表に基づく心理的な色素系であり、何といってもマンセル表色系が代表として挙げられる。
日本でも「JIS Z 8721-1993色の表示方法 – 三属性による表示」でこのマンセル表色系が採用されているし、アメリカのOSA-UCS表色系など、影響を与えているものは数え切れない。
その他の顕色系としては、日本色研配色体系PCCS(1964年)、NCS(スウェーデン工業規格)表色系(1973年)などがある。
混色系は次項のCIE表色系が代表だが、印刷さえ安定できればCMYK網%表記も混色系のひとつといえる。
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